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東京地方裁判所 昭和36年(むのイ)801号 判決 1961年12月06日

被告人 荻野実

決  定

(被告人氏名略)

右被告人にかかる横領被告事件について被告人の証拠保全請求を却下した東京地方裁判所裁判官の裁判に対し、昭和三六年一一月二〇日被告人より準抗告の申立があつたので当裁判所は次のとおり決定する。

主文

本件準抗告はこれを棄却する。

理由

本件準抗告の申立は、被告人の申立書中には抗告する旨の記載はあるが、一件記録上裁判官のなした第一回公判期日前の証人尋問の証拠保全請求却下の裁判に対する不服申立であることが明らかであるので、右の抗告の文言に拘らず裁判官のなした裁判に対する準抗告の申立と解すべきところ、法律上裁判官のなした証人尋問の証拠保全請求却下の裁判に対する不服申立の途がなく、本件申立を抗告の趣旨と解しても抗告の許される場合に当らない。

よつて、本件申立は刑事訴訟法第四三二条、第四二六条第一項によりこれを棄却することとし、主文のとおり決定する。

(裁判官 江里口清雄 宮崎啓一 横畠典夫)

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